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itoigawa1

Book Review / 読書ノート「市民参加の庁舎計画」


第1章 庁舎建設の背景 p9

市町村庁舎整備を担当する当局は庁舎整備の意義、必要性、合理性などについて住民に対する説明を尽くしていくことが教訓として求められているように思います。


第2章 庁舎計画における主な検討事項 p13

地震や豪雨などの自然災害に対して、庁舎建物は強靭さを発揮し、災害支援に当たって司令塔の役割を果たさねばなりません。被災状況を集約し、また広域的な救援等の動向も踏まえて的確な対策を支持する災害対策本部機能、救援物資や災害支援ボランティアへの対応機能、それらを支える非常用電源の確保などは庁舎が持つべき非常時の役割として欠かせないものでしょう。


第3章 庁舎の建て替えは合理的か? p29

建物が新しくなって庁舎の利用者がより効率的なサービスを受け取り便利になること、庁舎で働く職員の人たちが気持ちよく仕事ができ能率も上がることは十分に考えられます。同じ新しくするにしても建て替える場合と改修する場合では同じ新しさ感は得られるでしょうが、建て替える場合の方がより効率的に業務が行われ利用者のサービスが向上することは明らかでしょう。


第5章 調査設計における住民参加のかたち p63

設計作業に市民参加のプロセスを持ち込む場合、ある条件付けを行って限定的な範囲で意見を出してもらうというのがわれわれの採った方法です。ある条件とは、庁舎全般を議論の対象にするのではなく、特に市民とのかかわりが強いと想定される場所に限定していくということです。


コメント

市町村の建設関連の部署にいる方々や、行政に関心のある学生にとって、有益な情報が数多く掲載されているように思います。

市役所の建物は建っているものであって、建て替えなどはあまり想像したことはありません。

また、本書中にも書かれていますが、私的な用事で市役所に行くこともほとんどありません。

庁舎は縁遠いものではありますが、市民のための建物であることを思えば、市民が庁舎計画に参加することは当然のようにも思います。

大学で建物を新設する際に学生の意見を聞くことがほとんどないように、設計する側が「誰のため・何のために建てるのか?」と一歩立ち止まって考えてみないと、大学の場合は学生、庁舎の場合は市民の意見を聞くという工程が設計プロセスに組み込まれることは稀になってしまうように思います。


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