菅野仁:友だち幻想 人と人の<つながり>を考える、ちくまプリマ―新書、2008
第2章 幸せも苦しみも他者がもたらす
「幸福」の本質的なモメント
①自己充実
②他社との「交流」 ・交流そのものの歓び ・他者からの「承認」
p37
第5章 熱心さゆえの教育幻想
例えばいじめで自殺する子がいる学校というのは、どういう状況になっているのか。子どもが、生命の安全が保障されないようなところに毎日通わなけらばならないということです。これは、イラクの危険地帯に行けと言われているのと同じようなことで、とんでもない話なのです。
p101-102
第6章 家族との関係と、大人になること
たとえて言うなら、子どもにとって、親というのは”多段ロケット”のようなものなのです。段階段階で、その外付け燃料は切り離されて行かなくてはなりません。最初は第一段ロケットの強力な推進力で打ちあがるわけですが、子どもはやがて自分の力で進まなければいけないので、余分になった燃料タンクは段階的に切り離されなければならないわけです。
p110-111
第8章 言葉によって自分を作り変える
他者への恐れの感覚や自分を表現することの恐れを多少乗り越えて、少々苦労して人とゴツゴツぶつかりあいながらも理解を深めていくことによって、「この人と付き合えて本当によかったな」という思いを込めて、人とつながることができるようになると思うのです。
p153
コメント
優しい口調でビシビシと、分かりやすいたとえを交えて、自分の周りを見渡す機会をつくってくれる本です。
自分は毎日周りの人たちに幸せにしてもらっているなと、改めて感じました。
周りの人たちにとって自分は「苦しみ」のもとかもしれないということにも、改めて思い知らされました。本当は、幸せをくれる周りの人たちにも幸せを感じてほしいなと思っているんですけどね。ゴツゴツと強引な交流で、周りの人たちはすでにボコボコかもしれません。
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