p5 はじめに
背の高い人が身長を縮めることができないように、繊細な人が「鈍感になる」「気づかずにいる」ことはできません。
p6 はじめに
「冗談交じりのささいな一言なのに、受け流せずにグサッときてしまう」
p17 第1章
ところが、エレイン・アーロン博士が行った調査により、「生まれつき繊細な人」が5人に1人の割合で存在することが分かってきました。繊細さは性格や環境によるものではなく生まれ持った気質であり、生まれつき背の高い人がいるように「生まれつき繊細な人」がいることが明らかになったのです。
p26 第1章
ですから、いいのもをたっぷり感じて元気に生きるには、自分が進む道を自分で選ぶことが本当に大切です。実生活で言えば、職場や仕事、休みの日を一緒に過ごす相手、暮らす部屋のなどの「環境」を自分で選ぶということです。
p44 第1章
誰かが怒っていると、自分が怒られているわけではなくても声のトーンだけで緊張してしまう。同僚がきつい言葉で注意されているのを聞くと、自分までつらくなってくる。同じ部屋で誰かが注意されていると、自然とその声が耳に入ってきてしまう。
p48 第1章
繊細さんが元気に生きるには、自分の「こうしたい」という思いを大切にし、「こんなにわままでいいのかな」と思うくらい積極的に自分を優先していく必要があるのです。
p72 第2章
「思い切り楽しんだ後、動けなくなってしまう」という繊細さんに、私はよく「楽しい予定の後にも休日を入れてください」とお話ししています。大変な仕事の後に休憩を取るのと同様に、「いい刺激を受け取るイベントの後にもあらかじめ休みを入れておく」のです。
p102 第3章
繊細さんは、相手への配慮がごく自然にできる人々です。当たり前にできるからこそ、配慮できない相手と出会ったときに、「なんで、あんなに無遠慮なんだろう!」と腹を立てたり、「私だったらあんなことはしないのに。もしかして嫌われてるんだろうか?」と気をもんだりと、相手の行動に振り回されてしまう。
p144 第3章
非・繊細さんが「電車、混んでたなぁ」と軽い疲れを感じているところ、繊細さんは「ものすごく、ものすごく、ものすごーーーく疲れた。へとへとでもう一歩も動きたくない。今日はすぐ眠りたい。このままじゃ明日1日動けないかも」と感じている、といった具合です。
p192 第4章
一般的な答えは無いものの、600名を超える繊細さんたちから相談を受けて、繊細さんが充実感を感じながら幸せに働くための条件が分かってきました。それは次の3つです。
1.想いーやりたいこと、いいなと思えること
2.強みー得意なこと
3.環境ー職場環境や労働条件
p196 第4章
ここまでのびのびと働く技術をご説明してきましたが、最後に、繊細さんに知っておいてほしいことがあります。それは「仕事よりも心身の健康が大切だ」ということです。
p227 第5章
やりたいことが、「眠りたい」「休みたい」でもいいのです。ゆっくり眠りたい、休みたいなどの気持ちが出てきたら、どうか自分を休ませてあげてください。
やりたいことをやると、心身にエネルギーが溜まります。エネルギーが溜まれば、自然と何かしたくなります。本当にやりたいことへ、スムーズに向かえるようになるのです。
p236 おわりに
人に優しく、心が深い。
いろんなことに気づき考える。
仕事のこと、人間関係のこと。繊細さんと話していると、内面に深く潜り、真摯に自分に向き合っていることがよく分かります。たとえ悩みのご相談であっても、繊細さんと話していると、心の奥深くから温かい気持ちがこみ上げてきます
コメント
テレビで繊細さんについて紹介されいたのを見たのがきっかけで、本書を手に取りました。
5人に1人もいたら全然マイノリティではなく十分なマジョリティだと思い、寒い部屋を快適にするために暖房をつけるのが当たり前のように、彼女ら・彼らが快適に過ごすためのちょっとした工夫が当たり前になってほしいと思って、そこに近づける方法を考えるための第一歩です。
ただ、自分の周りにいる人の5人に1人いる繊細さんたちに、自分の無遠慮が大きな迷惑をかけてきたんだなと反省を感じますし、彼女ら・彼らのおかげで自分は快適に過ごさせてもらっているんだなとも思いました。
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